出産前から生後3ヶ月までで、良かった物を幾つか紹介する

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娘が産まれてから3ヶ月経った。一般的な「妊娠・出産・育児グッズ」を補完するような形で、利用して良かった物やサービスを書いておく。

陣痛タクシー

kmタクシーの出産時配車サービスを利用した。本当に助かった。

マタニティ・マイタクシー | タクシーサービス | kmグループ 

サービス対象地域は限られているが、東京以外でもいくつかの都市で同様のサービスがある。
電話番号と、出発地点 (自宅など) と病院の場所、そして出産予定日を登録する。
電話する時は、なるべく、登録した電話番号からかけること。先方ではその電話番号を使って即座にこちらの登録情報を検索し、「ご自宅から◯◯病院でよろしいでしょうか?」と、短い会話で配車してくれる。タクシーのオーダーが下手でも安心。座席には防水シートが敷いてあるので、破水や出血があっても安心。

出産時のタクシーについては「乗車中に破水してシートが大変なことになった」「何かあったら困ると言われて断られた」という話を聞いていたので、外出時はバッグの中に猫のトイレ用シートを常備し、もし走行中のタクシーを拾うことになったら使うことにしていた。ちょうど座布団にできるサイズで、吸収力も高いので、破水・出血で迷惑をかけることを防げる。急いでいるときにトラブルは避けたいし、「ご迷惑はおかけしないようにこれを敷いておきます」と伝えれば、気持よく乗せてもらえそう。私の場合は家に猫がいるので「これは使えそうだ」と思ってトイレシートを持っていたが、新生児用のおむつでも良いと思う。けっこう大きいし、こちらは必ず用意するアイテムだし。

陣中食について

出産時の持ち物リストにはたいてい「軽食」と書かれているが、病院に持っていくための物に加えて、自宅で食べる分も確保しておくと良い。

病院に移動するまでは、自宅等で陣痛に耐えることになる。陣痛の最中はまともに立って居られないし、テーブルできちんと物を食べるのも難しい。買い物・料理・外食は無理だと思ったほうがいいので、カロリーメイトなどの携帯栄養食が役に立った。多めに買って余っても、後日、おやつや非常食として使える。

出産時にも軽食をとることを勧められるのだが、ここではゼリー飲料が便利。ウィダーインゼリーとか。寝た姿勢で摂取することになるので、固形物だと食べにくい。

陣痛時計

出産予定日が迫ると、「陣痛が◯分間隔になったら電話してください」という具合に、病院に連絡するタイミングを指導される。この陣痛の間隔を計測するためのアプリが色々あるので、臨月に入ったらインストールしておくと良い。事前に試して、気に入ったものを試すといい。

時計を見ながら手でメモして計算して……というのは面倒なので、スマートフォンに頼っておこう。

小さな置き時計

入院中にどうしても置き時計が欲しくなって、家族に持ってきてもらった。

出産後しばらくは、時間の感覚がおかしなことになる。夜間含め、3時間おきに、寝ている赤ちゃんを起こしてでも授乳しなければならないので、昼夜の区別はなくなる。体は即座に短眠仕様になる。授乳、赤ちゃんのお世話の記録、お見舞いへの対応、回診、食事などなど……もうなにがなんだかわからなくなる。
また、赤ちゃんの授乳の際、「何分吸っていたか」というのをチェックしたくなる場合がある。

そこで、簡単に時間をチェックできるように、置き時計が活躍するというわけだ。

産後は体を動かすのも楽ではないので、スマートフォン等に手を伸ばさなくても頻繁に時間がチェックできるというのはとっても重要。両手の塞がる授乳中でも大丈夫。

アイマスク

こちらも、入院中にどうしても欲しくなって家族に届けてもらった。

先ほど述べたように、出産後は細切れの時間で赤ちゃんの世話をすることになる。夜間も起きておむつを替えたり授乳したりするので、昼も寝ないと睡眠が不足してしまう。昼に赤ちゃんが寝たら昼寝のチャンスなのだが、そこでいかにエレガントに寝るかが勝負。

昼間の病室は明るい。体は疲れているのに、明るいとなかなか眠れない。そこでアイマスクが効く。目の上にハンカチやタオルを乗せて代用してもなんとかなるが、ぽろりと落ちたりする。

心音が聴けるiPhoneアプリ

9月、Appleの発表会のあった夜、「今度のWatchOSでは、赤ん坊の心音が聴ける」という話が流れてきた。
マイクで拾うのだろうか? それならApple Watch以外のデバイスでも可能なのではないか? 既にあるのでは? と思って探してみたら、実際、あった。

My Baby’s Beat – Fetal Heart Monitor App

本当に聴こえるのか半信半疑だった。騙されたらまあ仕方ないと思って購入したが、騙されなかった。

聴こえる音はフェイクではない。胎児の胸のあたりを狙ってお腹にiPhoneのマイクを当ててみると、心音らしきものが聴ける。病院で聴いたのと同じように、普段は自分の倍くらい、胎動の激しいときはそれより更に速い鼓動が聴こえる。
胎児はよくしゃっくりをする。お腹の中でひくひく動かれると結構痛い。そういう時に使ってみると、しゃっくりの音も拾ってくれる。もちろん、胸に当てると、自分の心音も大音量で聴こえる。

「30〜40週の胎児の心音なら拾えるし、早ければ20週で拾える場合もある」とのこと。
保存した音声は、サイト上でシェアして家族や知人に聴いてもらうこともできる。ちょっと工夫すれば音声ファイルをダウンロードできる。

マタニティヨガ

最近ヨガインストラクターの資格を取った知人に、個別指導を受けた。最初は主治医に相談し、調子も良さそうだったので、無理のないように続けた。
妊娠中は、肩こり・腰痛・スタミナの低下・頻繁なこむら返りなどなど、ありとあらゆる身体の不調に襲われる。マイナートラブルと呼ばれるやつだ。さらに、運動しなくなったり、大きな動作を控えたりするようになるものだから、「普通の運動不足」で体が辛い。
そういった問題を解決するために色々な動作がデザインされているのがマタニティヨガである。ヨガと聞いて思い浮かべるようなアクロバティックなポーズなどは無く、一見大人しいポーズが多いが、効いて欲しい所に効く。
筋トレでもあり、ストレッチでもあり、呼吸法の練習にもなるという、色々な側面がある。自分の身体の構造をじっくり理解し、コントロールする練習にもなる。
自宅兼オフィスの執務室にはヨガマットを常備。腰や肩が痛い時、疲れた時にいくつかポーズをやって、心身の健康を回復していた。

「産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK」

最後は書籍を一冊。昨日読んだが、大変良い内容だったので、勢いで紹介しておく。

この本は、とにかく細かく出典が書いてある。図表の出所はもちろんだが、本文にも丁寧に出典が書かれており、ほぼ1文ごとに出典・注釈が添えられているような章さえある。巻末にまとめて参考文献を羅列するのではない。一般人向けの書物としては、情報源の記載にかなりこだわっている部類だ。

妊娠・出産・育児にあたって色々情報を集めていれば、どこかで気づくはずだ。
「この界隈には魑魅魍魎が跋扈している!!!」
世の中、とにかく胡散臭い情報が多い。また、正しいであろう情報も、それが正しいことを確認する術がなく、結局は胡散臭い情報と区別がつかなくなっているケースも多い。また、たとえ正しい情報であっても、その正しさをもって人を追い詰めるような言説も多い。あれでメンタルをやられたり、不安に付け込まれてカモられるような人も多いだろう。

本書は、そんな現状をふまえ、「出所不明の怪しい情報に苦しめられるお母さんに、信頼できる情報を提供する」「ベストな選択ができず苦しむお母さんに、気休めではないセカンドベストを提供する」という動機によって書かれている。そのために細かく丁寧に情報源が明記されているし、現場で意見の対立が起こる背景についても言及されている。

それから、挿絵がかわいい!! とてもかわいい!!!

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