多摩川沿いの連光寺層で、また子供と一緒に化石発掘をした。
前回のレポートはこちら → 多摩川沿いの連光寺層で鳥類の化石(?)を掘り当てた
前回と比べると、ちょっと発掘能力が上がった。地面からちょっと覗いている化石の断片を見分け、それを破壊せずに母岩ごと持ち帰ってクリーニング。その一連の流れができるようになった。そして、自宅でクリーニングしてなかなか素敵な化石を手に入れることができた。
ちょっとだけ見えてる化石を探せ
このあたりは普通に砂 (厳密にはシルトという、砂と粘土の中間くらいの粒) の地面をバキバキと割っても白い貝の化石が出てくる。そういうものは、小粒であったり、割れていたりする。しかし、地表をよく観察すると、こんな感じでほんのちょっと顔を出している化石もある。

こちらは、子供が「巻き貝のようなものが埋まってる」と報告してくれたものだ。そこそこの曲率半径のありそうな球面のごく一部と、巻き貝の端っこの開口部のようなものが確かに見えている。大型カッターで周囲を切って丁寧にアイソレーションし、大きめの母岩 (岩……なのか?) を残して掘り出す。

それを、こんな塊で持ち帰る。アルミホイルで包むと壊れにくい。
ときどき、こんなふうに貝殻で型取りされた、砂のマドレーヌのようなものもある。

クリーニング! 何が出るかな?
帰宅。持ち帰ってきたのはこんな感じ。


今回重点的にクリーニングするのはこちら。貝の一部がちらっと見えているのがわかる。

二枚貝
まずは、つるつるしていて簡単そうな二枚貝からスタートした。すでに割れているし、残っている部分もかなり脆い。母岩を残しつつ、見やすいようにクリーニングしてみた。カガミガイだろうか。


まるっこい巻き貝
次は、冒頭で紹介した丸っこい巻き貝のようなものをクリーニングしていく。

これを丁寧にクリーニングしたら、ほぼ完全な形で出てきた。




こちらはタマガイの仲間っぽい。エゾタマガイかツメタガイのように見える。実際、エゾタマガイやツメタガイはこのあたりでよく見つかるらしい。
タマガイ科は、見かけはころころしていてかわいらしいのだが、他の貝の貝殻に穴を開けて捕食するという肉食性の貝だ。140年前の浜辺でも猛威を振るっていたのだろうか。
この化石、側面が一箇所破損しているのだが、よく見ると一部が綺麗な円錐面のような形でえぐれており、同じタマガイ科の貝による捕食痕のようにも見える。食って、食われて、浜辺は殺伐としている。
ごつい巻き貝
さて、今回最も大物の可能性が高かったのはこちらの白いごつごつした化石。

凹凸が多く、クリーニングは難しい。丁寧に掘り出していくと、突然母岩からぽろっと取れた。思っていたのよりだいぶちっちゃい。稚貝かな? このままどんどん成長を続けていった姿を想像すると、アカニシガイっぽいかもしれない。表面の凹凸がはっきりと残った綺麗な化石だ。




いい感じのケースを用意して、標本として大事にとっておきたい。ラベルには日時や発掘地点をしっかり書こう!
アイテム紹介
今回クリーニングの役に立ったアイテムはこちら。

- 大型カッター : 切り出した母岩が大きすぎる場合、ざくざくと大雑把に切るのに使う。刃こぼれ上等。
- デザインナイフ : 母岩を削るように切っていくことができる。化石に当たりそうな箇所には使わないほうがよい。刃こぼれ上等。
- デンタルフロスのお尻についてるピック : いちばんいい仕事をしてくれたアイテム。細かい作業もできるし、化石に当たっても弾力があるので化石を傷つけなくて済む。丈夫なので一本あればずっと使える。
- 筆 : 太いものから細いものまで、いろいろと使える。水を含ませて母岩の割れやすさをコントロールすることもできるし、細かい砂粒を除去するのにも使える。小さな砂の塊を丁寧に破壊するのにも使える。
あまり使わなかった道具は
- つまようじ : 使えないことはないが、先端がすぐにぼろぼろになってしまう。デンタルフロスのお尻についているピックが上位互換。
- 針 : 細かい作業はできるが、化石を傷つけやすい。こちらもデンタルフロスのお尻についているピックが上位互換。とても硬い粘土の塊を壊すのには使えるが、これもデザインナイフの先っぽを使ったほうが割る方向をコントロールしやすい。
今回発掘した日野市の多摩川右岸の連光寺層は、冬しか現れない。春になると多摩川の水量が増え、川底に沈んでしまうのだ。私自身も花粉症が辛く、長時間の屋外活動は避けたい。ここでの化石掘りは今年のここまでにして、来年また掘りにいきたい。